1. 一棟マンション市場の現状と規模の把握

1.1 国内における一棟マンションの存在数

  • 一棟マンションの正確な棟数は公的統計に明示されていないため、令和7年(2025年)の住宅着工統計や国勢調査データをもとに、賃貸マンションの割合は約15.7%前後と推計されています。2018年時点の総戸数約6,240万戸を基にすると、全国の賃貸マンション戸数は約980万戸となり、1棟あたり20~30戸と仮定すれば、全国には約40万棟前後の一棟マンションが存在すると見込まれます。都心部では、従来の調査結果と大きな乖離はなく、今なお高い稼働率と安定収益が期待できる市場規模であることが確認されています。
    1.2 市場規模の意義と投資対象としての魅力
    この広大な市場規模は、個人投資家から大手企業、リートやファンドを通じた投資家まで幅広い層にとって、安定した収益源としてのポテンシャルを示しています。2025年は、昨年に引き続き、立地や建物の品質、運用効率の改善を背景に、一棟マンションが収益性の高い資産運用手法として再評価される局面となっています。


    2. 変化する賃貸ニーズと新時代の住まい
    2.1 従来型住宅から進化するライフスタイル
    1950年代に定着した「〇LDK」などの型式は、当時の住宅公団制度下で生まれたものですが、現代においてはライフスタイルの多様化に伴い、従来の枠組みでは捉えきれない新たなニーズが浮上しています。外国人居住者の増加、シェアハウスの普及、さらには多拠点居住やサブスクリプション型の賃貸方式といった利用形態の変化が、従来の「大家と店子」関係を超えた柔軟な運用を求める声として表面化しています。
    2.2 都心回帰とテレワーク環境の深化
    2025年においても、コロナ禍以降の「都心回帰」は依然として顕著です。郊外へ流出した層が再び都心に戻り、利便性や快適な住環境を求める動きが続いています。同時に、テレワークの普及が居住空間における働きやすさを重視させ、オフィス機能を備えた住環境や、防音・セキュリティ面での充実が、投資物件としての価値を高めています。企業にとっても、CRE戦略の一環として、安定収益と企業評価向上に寄与する資産として、一棟マンションへの注目度はさらに高まっています。


    3. 売買市場と賃貸市場の最新動向
    3.1 売買市場の現況とトレンド

    令和7年(2025年)現在、レインズなどの不動産取引システムにおいて、一棟マンションの売却物件は昨年度に比べさらに増加。前年比プラスの勢いは続いているものの、成約件数には依然として慎重な動きが見られ、在庫数の拡大が懸念されています。物件価格は短期的な変動を繰り返しながらも、全体的には上昇傾向にあり、これが利回りの低下要因となる一方、質の高い物件には今なお高い需要が集まっています。
    3.2 賃貸市場の変化と需要拡大
    東京23区を中心とした賃貸市場では、2009年以降の低迷を乗り越え、2013年からの上昇トレンドが2025年にも継続。都心部への人口集中、企業の働き方改革による賃上げ効果、さらには新築分譲マンションの価格高騰などが、持家から賃貸へのシフトを促進しています。省エネ基準の強化や建設コストの上昇も影響し、質の高い賃貸住宅が求められる中、空室率の改善と安定した収益確保が実現されつつあります。


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4. 2025年一棟マンション市場の見通し

金利上昇や建設資材の価格高騰

2025年は、金利上昇や建設資材の価格高騰、地価上昇といった複数の外部要因が市場全体に影響を与える転換期となっています。以下の3点が、今後の市場動向を大きく左右すると考えられます。

4.1 マンション価格上昇のシナリオ
・【地価の上昇】:令和7年の最新地価公示では、引き続き3年連続の上昇傾向が見受けられ、固定資産税評価額も上昇中です。新築・中古双方で土地の評価高騰が物件価格に直結する動きが加速しています。
・【建設コストの増加】:資材費や人件費の上昇が新築物件に与える影響は避けられず、リノベーション市場にも同様の圧力がかかっています。これにより、中古物件の改修コストも上昇し、全体的な価格上昇が予測されます。
・【賃料の上昇】:金利引き上げの影響や、都心回帰に伴う賃貸需要の拡大が、賃料の値上げを後押しし、物件の売却価格に反映される流れが続いています。

4.2 賃貸需要の拡大と収益性の改善
金利上昇局面では、住宅購入意欲が低下する中で賃貸へのシフトが進み、質の高い賃貸物件の需要はさらに増大しています。これにより、空室率の改善や安定したキャッシュフローが期待され、投資物件としての収益性が向上することが予測されます。企業や投資ファンドは、これを好機と捉えた戦略的な物件取得に動く動きが顕著です。
4.3 市場活性化と投資チャンスの拡大
金利上昇の影響を受け、収益性が一時的に低下した物件が市場に出回るケースも増加しています。これにより、好条件の物件を低価格で取得できるチャンスが生まれ、海外資本の参入も引き続き活発化する見込みです。市場全体が活性化する中、投資家はタイミングを見計らったポートフォリオの再編成を進め、長期的な資産価値の向上を図ることが求められます。

5. 一棟マンション投資とCRE戦略の融合
5.1 CRE戦略における一棟マンションの位置づけ

企業の不動産戦略(CRE戦略)において、一棟マンションは安定した収益と資産価値向上を実現する重要な柱として位置付けられています。立地条件や建物のクオリティ、運用効率の高さにより、長期的なストックビジネスとして企業評価の向上にも寄与しており、リートやファンドを通じた分散投資の対象としても注目されています。
5.2 投資家と企業双方にとってのメリット
・【安定収益の確保】:2025年は、賃貸需要拡大とともに賃料上昇が進み、運用期間終了後の転売益や含み益の増加が見込まれるため、安定したキャッシュフローの確保が期待されます。
・【市場環境への柔軟対応】:金利や建設コストの変動に伴い、流動性の高い資産運用やタイムリーなポートフォリオ見直しが可能となる点も大きな魅力です。
・【海外資本の参入促進】:低金利環境からの転換局面では、海外投資家の積極的な市場参入が見込まれ、国内市場全体の活性化に寄与するでしょう。

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6. 今後の市場活性化と投資戦略の展望

2025年は、一棟マンション市場が不動産投資全体の中でさらなる転換期を迎えると同時に、投資環境の変化を敏感に捉えた戦略が求められる年です。賃貸需要の拡大や物件価格の上昇圧力を背景に、投資家や企業は柔軟な資産運用とリスク管理を徹底することが成功の鍵となります。政策動向や経済情勢の不確実性を見極めつつ、質の高い物件への戦略的投資が、今後の市場活性化と収益性向上に大きく寄与するでしょう。


【まとめ】
2025年の不動産市場は、一棟マンションを中心とした投資環境が一層ダイナミックに変化する年となっています。都心回帰、テレワーク環境の深化、さらには金利・建設コスト・地価の各要因が相まって、物件価格の上昇と賃料の改善が進行中です。企業にとっては、CRE戦略の一環として安定した資産運用が実現でき、投資家にとっても高い収益性を狙う有望な投資先として、一棟マンションはますます注目されるでしょう。今後の市場動向を的確に捉え、柔軟かつ戦略的な投資判断を行うことで、長期的な資産価値の向上と収益拡大が期待されます。
本記事が、2025年に向けた不動産投資および企業のCRE戦略の策定において、信頼性の高い情報と実践的な洞察を提供できれば幸いです。新たな市場環境の中で、一棟マンション投資が未来の資産運用のカギとなることは間違いなく、今こそ戦略的な一歩を踏み出す絶好のタイミングと言えるでしょう。


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